☆白羽ミサsama藤ヒロsamaの企画「テニプリドリームオークション」参加ドリ☆
観月の駆け引き


観月'S SweetHeart: さん



最近、私の夜のお相手をしてくれている『一郎太』。
彼は私を朝方まで寝かせてくれない。私自身も好きで
やっていることだから、次の日どんなに眠たくとも苦ではない。
今の私の生活には一郎太は何よりも不可欠だと思う・・・。


っと、これだけ言うと何だか勘違いされがちなので補足しておくと、
一郎太は私の愛する大事な大事なノートパソコンのことである。
そして、現在、私をとりこにしているのがNET。そのなかでも現在、
私はネットオークションなるものに、どっぷりとハマリ朝方まで
パソコンから離れられない生活なのである。辞められない理由を、
ご理解いただける方も多いと思うのだけど・・・辞められないよね?



、またオークションですか?」

授業合間の休み時間、少しでも睡眠時間を稼ごうと机に
うっぷしていると頭の上から声が聞こえてきた。その
声質と癖のある話し方にその声の主が自分の彼氏であることが
分かる。顔を少しだけあげるとそこにいたのはやはり一応彼氏
である、観月はじめだった。

「う・・・ん、ちょっとのめり込んじゃって。」
「そんなに毎晩毎晩何をやってるんですか。そのうち体壊しますよ。」
「うん、気をつける。」

それだけ言うと私は再度机にうっぷした。
あまり相手にしてもらえなかった彼はそっと私の頭をなでると去っていった。
以前は相手にしないとその場で騒いだのだが、ココ最近は
眠たそうな私に気を遣ってくれているのか騒がなくなった。
気を遣ってくれるのは嬉しいし、そんな観月は優しい。が、裏で何を
考えているのか分からないから実際は怖い。そんなことを思いながら
私は目を閉じた。




「・・・と、云う事で君たちの休日を返上させていただきます。」

部活のミィーティングでの観月の言葉にその場にいた全員が
「は?」と聞き返した。何を考えたのか観月はR陣を1日貸し出す
とう商売に手を出そうとしているのだった。しかし、貸し出しを
続ければ練習が疎かになるので、R陣との1日デートをオークションで
競り落すという形を取ることにしたのだ。その競金を部費の足しに
することも忘れない。

「それってある意味、人身売買じゃないのかな?」

恐る恐る問い掛ける野村の言葉に、木更津はクスクスと笑った。

「そんな大げさなものじゃありませんよ。ただ君たちが1日
デートするというだけです。まぁ、競り落とした人が相手ですがね。」
「充分、人身売買じゃないですか!!」

観月の言葉に裕太が慌ててツッコミを入れると、その横にいた
木更津が笑いをこらえながら問い掛けた。

「今回は何があってそういうことになったんだ、観月?
 どうせ。今回がかかわってるんでしょ?」
「ま、また、お前等は俺たちを巻き込むのか?!」
「煩いですよ、バガ澤。そんな年がら年中叫んでばかりで
 今回のオークションで売れ残っても仕方がありませんよ。」

赤澤を簡単に黙らせると観月はひとつゆっくりとため息をついた。

「それで?」
「最近、がネットオークションにはまってるみたいなんです。」
「で、相手にされないから自分でオークション開いての関心を
 自分に向けようって魂胆(こんたん)なんだ。」

頭の回転の早い策士・木更津はにこやかにつづけた。

「淳、凄いだーねー。」

「と、いうわけで、僕たちののために頑張って貰います。」
「ちょ、ちょっと待ってください!!観月さんは出ないんですか?!」
「僕はがいますから誰かのものになるわけにはいかないんです。
 ですから、主催者として君たちをちゃんと高額で売り飛ば・・・
 いえ、競り落とされるように努力させていただきます。」

言い切る観月に物言いたげに裕太は頭を抱えた。
その後ろでは赤澤が金田にそっと耳打ちする。

「・・・が買い取ってくれる自信がないんだぜ?」
「ぶ、部長!そんなころ言っちゃ・・・・」
「赤澤、しっかりと聞こえてますよ。え〜しっかりとね。」

皮肉なまでに、笑顔を引きつらせた、魔王がそこにいた(笑)。

「いいでしょう。僕が出ると少々値が張ってしまいますからね、
自主規制してしていたんですが、そんなに僕たちの愛の深さを
知りたいというのなら、でてあげないといけませんねぇ?」

さっきとは言ってるコトが違いますよ、観月さん!、そんな
言葉が裕太の喉の奥でとどまった。




オークションの話を聞いたのは、数日後のこと。
ちなみに情報提供は最後まで笑いが止まらなかったという木更津くん。
しかし、何故だか微妙につっこんだ話を聞くと、誤魔化される。
彼も観月と同じ部類の人間だったということを思い出した瞬間だった。

、聞いた?テニス部の話。」
「また観月が迷惑やらかしてるってね・・・。」
「面白そうだから見に行こうね?!」
「まぁ。。。いいかな。観月が主催って気に障るけど。」

と興味本位で見に行くことにした。それを観月に話したとき
「特等席用意させます!!」とほざいたので行かないといってやったら
泣付かれた。やっぱりコイツは変だ。何がしたいのかわからない。



そして週末、ついにその日はきた。
学校の体育館を貸切ってのオークションはルドルフの生徒だけでなく
どこから聞きつけたのか、青学や氷帝など様々な制服が見られた。
氷帝はお金持ちが多いからイイ値が付くんだろうな〜なんて思った。

高々に響くバックミュージックに合わせて、登場したのは

「エントリーNO.1 テニス部長、赤澤吉郎。部長とは名ばかりで
ルドルフの似非サーファー。通称:バカ澤。まぁ、今回売れ残るであろう
人物です。開始値は100円から(爆)。」

観月の紹介文に私の横では涙を流しながら爆笑していた。

「み、観月、言い過ぎっ!!つーかあれじゃ余計買い手つかないじゃん!」
、あんた、笑い過ぎだって。。。赤澤、可哀想・・・」


「誰か、いませんか?」
やはり先ほどの解説では誰も買い手がつかないのか、観月は会場を
見渡しながらそういった。

「はいは〜い!!100円!」

手を振りながら大声をあげたのは
赤澤は無事(?)買い手がついた。落札額は100円。


観月のすばらしい司会の下、オークションは続き、クライマックス。
観月が競りに出された。綺麗な顔立ち故か、額はドンドン上がっていく。

「正体知らない人はイイわよね〜」

面白がるの横で、私は口をあけて固まっていた。
今までのR陣とは額が違っている。そんな人物と
付き合っているのかと心底驚いていた。
そんな私の意識を元に戻したのは現在競り落とされているくせに
なおかつ司会を務め、自分で自分の競をしきる観月の言葉だった。

、いいんですか?落札されてしまいますよ?」

「えぇ?」

300万で、会場内の声は止まっている。1日デートごときで
300万と思う反面、私は声をあげていた。

「301マン!」

「350万」
「351マン!」
「400万よ!!」
「401マン!」
「・・・500万!」

「ろ、600万!!」

どこかのお嬢と競り合う私の姿に観月は涙を浮かべた(らしい・・・)。

「600万、他はありませんか?・・・600万で落札。」

カンカンと落札のカネがなると、私はふぅと息をついた。

!!愛してますvv僕を好きにしてください!!」

ステージからダイブして私に抱きついてきた観月に私は
勝ち誇った笑みを浮かべた。

「やっぱり落札できると気分いいわ。」
「はい?」
「益々オークションはまりそう☆」

嬉しそうな笑みを浮かべると観月は複雑な顔を見せた。
観月は私の笑顔のためならなんでもする(らしい・・・)が、
私がオークションに興味を持ってしまったコトにより、また
相手にされなくなるという、2つのコトが頭に浮かんだのであろう。
しかし、彼はすぐに嬉しそうな笑みを浮かべた。

が落札してくれると信じてましたvv」

「あっ・・・観月ちゃん、600万払っといてね。」
「・・・?」
「自分の身くらい、自分で守らなきゃ駄目だよ!」

すっかりのめり込んでいて忘れていたのだが、かなりの金額なのだ。
私はとっさに「参加できない観月のかわりに落札した」と言い訳し、
ヒラヒラと手を振って逃げるように会場を後にした。
よくよく考えれば、主催が観月だったこともあり、そのお金は
払わなくて良かったのだが逃げてきてしまったことにより、
新しく整備されたテニスコートで一週間、私は観月のとなりで
マネージャー業を余儀なくされた。

当分、ネットオークションにも顔は出せそうにない・・・。




END



白羽ミサsama藤ヒロsamaの企画「テニプリドリームオークション」で
書かせていただいた、観月ちゃんシリーズの観月オークションドリです。
白羽ちゃんにメッセでリクをお聞きしたところ「観月で!」ということで
観月です。「テニプリキャラを競り落とす」というコンセプトだったすが、
思うに、観月ちゃんは仕切りたがりやなので無理だと思うのですよ?
それに、私の場合落とせないで終わりそうだし。どうなることやらと思いましたが
一度目はやっぱり落とせてなかったです(笑)。で、無理やり途中曲げました。
こんなんで良かったんでしょうか?
03,05,15 Makoto Fujitake